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『世界大百科事典〈第10〉ケンテーコオ』は、平凡社が1956年に刊行した総合百科事典の一部です。本書は、五十音順に配列された項目の中から「ケン」から「コオ」までを扱い、人文科学、社会科学、自然科学といった多岐にわたる分野の知識を体系的に解説しています。各項目は、その分野の専門家によって執筆され、図版や写真を用いて視覚的な理解を助ける工夫がなされています。特定の事柄について信頼性の高い情報を参照するためのレファレンスブックとして設計されており、読者が家庭や図書館で手軽に広範な知識へアクセスできる「知のインフラ」としての役割を担うことを目的としています。
本書が発売された1956年当時に売れた理由は、戦後復興から高度経済成長へと向かう時代の知識欲と、当時の情報環境が大きく関係していると考えられます。テレビ放送が始まったばかりで、家庭における体系的な情報源が限られていた時代、百科事典は家庭内で最も信頼性の高い「知のデータベース」でした。子供の教育熱の高まりを背景に、学習のための参照用として、また、応接間に全巻を揃えることが「文化的な家庭」の象徴と見なされるステータスシンボルとしての需要も強かったと推測されます。さらに、平凡社が持つ事典編集の伝統と信頼性に加え、高価な全集を分割して刊行・販売する手法が、一般家庭でも購入しやすい価格設定を実現し、幅広い層への普及を後押ししたと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?

(1956年)