📬 ロングセラー通信
毎日1冊、10年売れ続ける本の秘密をお届け。
無料・いつでも解除可能
本書は、平凡社が1956年に刊行した全24巻からなる「世界文化地理大系」の第23巻です。アフリカ大陸全域を対象とし、その広大な土地の地理、自然環境、多様な民族の生活様式、文化、歴史、そして当時の社会情勢に至るまでを網羅的に解説しています。編纂は当時の学術的知見に基づいており、各分野の専門家が執筆を担当しました。文章による解説だけでなく、豊富なモノクロ写真、地図、図版を多用しているのが特徴で、読者が視覚的にもアフリカの姿を理解できるよう構成されています。特定のテーマを深掘りする専門書とは異なり、一般の読者に向けて、未知の大陸の全体像を体系的に提示することを目的としています。
本書が発売された1956年当時に売れた理由は、戦後日本の知的好奇心の高まりと、海外、特に未知の領域であったアフリカへの強い関心があったためと考えられます。当時はテレビ放送が始まったばかりで、海外のリアルな映像に触れる機会は極めて限られていました。そのような時代において、豊富な写真を掲載した本書のような豪華な全集は、家庭にいながら世界を知るための貴重な「窓」の役割を果たしました。
また、「百科事典の平凡社」という絶大なブランド力が、内容の信頼性を担保していました。さらに「世界文化地理大系」という全集形式は、月賦販売などの手法と相まって、一度購入を始めると全巻揃えたくなるコレクション欲を刺激したと推測されます。単なる旅行記や学術書ではなく、体系的な知識とビジュアルの楽しみを家庭に提供する教養エンターテインメントとして、当時の読者ニーズに的確に応えたことが、ヒットの要因と言えるでしょう。
では、なぜ売れ続けたのか?
