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本書は、行政法学の核心概念である「行政行為」について、その意義、成立要件、効力、そして瑕疵(無効や取消)といったテーマを体系的に解明する学術専門書です。著者の田中二郎が、戦前のドイツ公法学の理論を継承しつつ、戦後の日本国憲法下の行政法の新たな理論体系を構築しようと試みた著作として知られています。具体的には、行政行為をめぐる多様な学説や判例を整理・分析し、それらを踏まえた上で独自の理論的枠組みを提示しています。単に行政行為に関する知識を網羅するだけでなく、その本質を深く掘り下げ、一つの理論体系として提示することを目的とした一冊であり、行政法を専門的に学ぶ者にとっての基本的な文献として位置づけられています。
本書が発売された1954年当時に売れた理由は、戦後の新たな法秩序構築という時代の要請に応えたからだと考えられます。日本国憲法が施行され、行政においても「法の支配」の原則が徹底される中、国民の権利利益と行政活動の関係を規律する「行政行為」の理論的解明は、法学者・実務家双方にとって喫緊の課題でした。このような状況下で、行政法学の第一人者である田中二郎が、ドイツの精緻な理論を日本の実情に合わせて再構築し、体系的な理論書として提示したことは、まさに待望されていたことと言えます。当時、行政法の体系的な教科書はまだ発展途上であり、類書が少なかったことも大きな要因でしょう。法学部の学生や研究者、行政訴訟に関わる実務家たちが、新しい時代の行政法を学ぶための信頼できる羅針盤として本書を求め、その需要が初期の売上を支えたと推測されます。
では、なぜ売れ続けたのか?

(1954年)
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