📬 ロングセラー通信
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本書は、温度の変化に応じて電気抵抗が大きく変わる半導体素子「サーミスタ」について、その原理から応用までを体系的に解説した専門技術書です。内容は、サーミスタの物理的な特性や種類、製造方法といった基礎理論から始まり、温度測定・制御、電力測定、通信工学における回路の安定化といった具体的な応用例に至るまで、幅広く網羅しています。1955年というエレクトロニクス産業の黎明期において、この新しい電子部品に関する包括的な知識を、技術者や研究者、学生に向けて提供することを目的としていたと考えられます。
本書が発売された1955年頃は、日本が高度経済成長期に突入し、トランジスタラジオに代表されるエレクトロニクス産業が急速に発展していた時代です。産業界では、温度センサーや自動制御に不可欠なサーミスタへの技術的関心と需要が急増していました。しかし、この新しい部品について体系的にまとめられた日本語の専門書は極めて少なく、技術者たちは断片的な情報や海外文献に頼らざるを得ない状況だったと推測されます。そのような状況下で、基礎原理から具体的な応用方法までを一冊で網羅した本書は、現場の技術者や研究者にとってまさに「待望の解説書」でした。理論だけでなく「応用」に重きを置いた実践的な構成が、当時の切実なニーズに合致し、多くの読者を獲得した大きな要因であると考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?
