📬 ロングセラー通信
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本書は、内燃機関(エンジン)の熱力学的な作動原理から性能、設計に至るまでを体系的に解説した学術専門書です。ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを主対象とし、熱力学サイクル、燃焼、熱伝達、機械損失、過給といった核心的なテーマを、数式や図表を駆使して厳密に論じています。内容は、特定の製品や技術トレンドの解説ではなく、物理法則に基づいた普遍的な原理の理解に主眼が置かれています。大学の機械工学分野における教科書として、また、エンジンの開発・設計に携わる技術者が基礎理論に立ち返るためのリファレンスとして活用されることを想定した一冊と言えます。
本書が発売された1957年当時は、日本が高度経済成長期に突入し、自動車産業をはじめとする工業分野が急速に発展していた時代と考えられます。国産技術の確立が急務となる中、工場や研究機関では内燃機関の設計・開発に携わる技術者が急増し、大学の工学部でも多くの学生がこの分野を学んでいました。このような状況下で、断片的な海外情報の翻訳ではなく、日本の第一人者である長尾不二夫氏が一貫した体系で書き下ろした本格的な専門書は、まさに待望されていたものと推測されます。現場の技術者や学生が、信頼できる権威のもとで内燃機関の基礎理論を体系的に学ぶための、他に代えがたい「標準テキスト」としての需要を的確に捉えたことが、発売当初の成功につながった大きな要因だと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?

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