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本書は、1955年に音楽評論家の堀内敬三によって編纂された音楽家の人名辞典です。古今の作曲家、演奏家、音楽学者など、音楽に関連する人物約5,000名を取り上げ、その生涯と業績を簡潔に解説しています。各項目には、人名の原綴り、生没年月日と場所、国籍、専門分野といった基本情報が記され、主要な作品や活動歴、音楽史における位置づけなどがまとめられています。内容は西洋のクラシック音楽の人物が中心ですが、一部の日本の音楽家も収録されています。本書の目的は、読者が特定の音楽家に関する基本的な情報を迅速に参照できるよう、事実情報を体系的に提供することにあり、著者による主観的な評価や解釈は最小限に抑えられています。
本書が発売された1955年当時に広く受け入れられた理由は、戦後の文化復興期における西洋音楽への関心の高まりと、信頼できる情報源への渇望という時代のニーズに的確に応えた点にあると考えられます。
当時、ラジオやレコードの普及によって一般家庭でもクラシック音楽が聴かれるようになりましたが、作曲家や演奏家の背景を知るための手段は限られていました。専門的で網羅的な知識を手軽に得たいという需要が高まる中、すでに著名な音楽評論家であった堀内敬三氏が編纂した本書は、その信頼性から多くの読者にとって待望の一冊だったと推察されます。
類書が少なかった時代において、約5,000名もの人物を収録した網羅性と、一冊で完結する利便性は大きな魅力でした。音楽を専門に学ぶ学生や熱心な愛好家はもちろん、西洋文化の教養を身につけたいと考える知識層にとっても、書斎に備えておくべきリファレンスブックとして重宝され、初期の販売部数を大きく押し上げる要因になったと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?

(1955年)
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