📬 ロングセラー通信
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本書は、元外交官の森島守人氏が、自身の経験を基に昭和初期の日本の外交史の舞台裏を描いた回想録です。著者は、張作霖爆殺事件、満州事変、そして日中戦争の引き金となった盧溝橋事件など、日本の運命を決定づけた歴史的事件の渦中にいました。本書では、関東軍の独走を止めようとする外務省の奮闘や、軍部の台頭によって外交努力が無に帰していく過程が、現場にいた当事者の視点から克明に記録されています。「陰謀・暗殺・軍刀」というタイトルの通り、力によって理がねじ伏せられていく時代の空気と、その中で外交官として何を感じ、どう行動しようとしたのかを生々しく伝えています。
本書が発売された1950年は、敗戦から5年が経過し、国民の間で「なぜ日本はあの無謀な戦争へ突入したのか」という問いへの関心が非常に高まっていた時期と考えられます。戦争指導者や軍部への批判が高まる中、多くの人々が戦争に至る経緯、特に軍部の独走の真相を知りたいと渇望していました。そのような時代背景において、満州事変などの重大な歴史的事件の現場にいた外交官本人による「告発」ともいえる本書は、他に類を見ない一次情報として読者の強い関心を引いたと推測されます。多くの戦争関連書籍が軍人や政治家の視点で語られる中で、軍部と対峙した外交官の視点から語られる内幕は極めて希少価値が高く、「陰謀・暗殺・軍刀」という衝撃的なタイトルも相まって、戦争の責任と構造を解明したいという当時の読者ニーズに強く応えたものと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?
