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本書は、スタジオジブリの長編アニメーション映画『崖の上のポニョ』の物語を、映画本編の映像を元にした豊富なカラーイラストと、子どもにも分かりやすい文章で再構成した絵本です。人間になりたいと願うさかなの子ポニョが、5歳の少年・宗介と出会うことから物語は始まります。ポニョが引き起こす魔法の力によって、海の世界と陸の世界が混じり合い、町が水没するなどの幻想的な出来事が展開されます。この冒険を通して、生命の根源、自然への畏敬、そして二人の純粋な愛と信頼といったテーマが描かれています。映画の感動的な場面を、ページをめくりながら親子で追体験し、物語の世界に浸ることを目的とした書籍です。
本書が発売当初に大きな成功を収めた理由は、2008年に公開され社会現象となった同名映画の爆発的ヒットと直接的に連動していると考えられます。興行収入155億円を記録した映画の熱狂が冷めやらぬ中、その感動を家庭で追体験したいという子どもと親の強いニーズを的確に捉えました。
当時の類似書籍と比較した場合、本書の際立った特徴は「徳間アニメ絵本」という独自のフォーマットにあります。映画本編のフィルムをそのまま使用した高品質なイラストは、他の描き下ろし絵本にはない圧倒的な臨場感と世界観の再現性を誇ります。これにより、単なるキャラクター商品ではなく、映画という芸術作品を所有し、何度も味わうための「公式アーカイブ」としての価値を提供しました。
また、宮崎駿監督自身が著者としてクレジットされていることも、他のメディアミックス書籍との大きな差別化要因です。作り手本人の名が冠されていることで、作品の正統性とクオリティに対する絶大な信頼感が生まれ、映画ファンや子を持つ親世代の購買意欲を強く後押ししたと推察されます。
では、なぜ売れ続けたのか?

(2008年)