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作品概要
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本書は、文芸批評家・小林秀雄による評論集です。表題作である「モオツァルト」と「無常という事」をはじめ、ゴッホやセザンヌなどの画家について論じた「近代絵画」、自身の思想遍歴を語る「私の人生観」など、芸術、歴史、思想に関する複数の論考が収録されています。その批評スタイルは、対象を客観的に分析・分類するのではなく、作品や作家の言葉を手がかりに、自身の深い教養と直観を駆使して本質に迫ろうとするものです。「モオツァルト」では音楽そのものではなく彼の書簡からその悲しみの本質を、「無常という事」では本居宣長の思想を通して日本的な精神性を探求します。読者は、明快な答えではなく、小林秀雄という知性が対象と格闘する思考の軌跡を追体験することになります。
本書が発売された1961年頃は、日本が高度経済成長期に突入し、物質的な豊かさと共に、精神的な充足や本格的な教養への渇望が高まっていた時代と考えられます。そのような時代背景において、小林秀雄は文壇における知的権威の象徴でした。彼の名前そのものが、読者にとって「本物の知性に触れる」ことの保証として機能したと推察されます。
また、本書が西洋芸術の極致であるモーツァルトと、日本精神の神髄である「無常」という、東西の根源的なテーマを扱っている点も重要です。これは、西洋近代化と日本の伝統との間で自己のアイデンティティを模索していた当時の知識層の関心と強く合致したと考えられます。単なる音楽評論や国文学研究書とは異なり、対象を通じて「見ること」そのものを問う「文芸としての批評」という独自のスタイルが、他の類書との決定的な違いを生み、知的好奇心の旺盛な読者層を強く惹きつけたと分析できます。
では、なぜ売れ続けたのか?
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