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本書は、日本のキリシタン史研究者である松田毅一が、特に四国地方におけるキリシタンの歴史を扱った専門的研究書です。著者はポルトガルやスペインなどに残された海外の一次史料を駆使し、これまで十分に解明されていなかった四国での布教活動の実態、信徒の生活、そして弾圧の過程などを実証的な手法で明らかにしています。本書は物語的な歴史叙述ではなく、史料に基づいた事実を丹念に積み重ねる学術的アプローチを特徴としており、特定の地域におけるキリシタンの動向をミクロな視点から詳細に描き出すことを目的としています。そのため、一般的な歴史読み物とは一線を画す、専門性の高い内容となっています。
本書が発売された1953年当時に受け入れられた背景には、戦後の学術界における新しい歴史研究への渇望があったと考えられます。戦前の皇国史観から解放され、多様な視点から日本の歴史を再検討しようとする気運が高まる中、西洋との交流史であるキリシタン史への関心も増していました。当時の類書が国内の伝承や二次史料に依存することが多かったのに対し、本書は著者の高度な語学力を活かして海外の一次史料を直接分析するという、画期的なアプローチを採用しました。この実証的な厳密さは、専門の研究者や学生から高く評価されたと推測されます。また、全国史ではなく「四国」という一地方に焦点を絞ったことで、具体的で深みのある内容となり、これまで光が当たらなかった地域の歴史を知りたいという知的好奇心旺盛な読者層にも訴求したと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?