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本書は、ドイツの経営経済学者オイゲン・シュマーレンバッハの学説を体系的に研究・解説した学術書です。神戸大学会計学研究会に所属する複数の研究者による論考で構成されており、シュマーレンバッハ理論の核心である「動的貸借対照表論」をはじめ、原価計算論、経営経済学の体系など、その広範な業績を多角的に分析しています。本書の目的は、単に彼の理論を翻訳・紹介するだけでなく、その思想的背景や学問上の位置づけを明らかにし、批判的な検討を加えることにあります。会計学や経営学を専門とする研究者や学生が、近代会計学の源流の一つであるシュマーレンバッハの思想を深く理解するための専門的な一冊といえます。
本書が発売された1954年当時、日本は戦後復興の真っ只中にあり、産業界では近代的な経営管理手法の導入が急務とされていました。特に、戦前から日本の学問に大きな影響を与えていたドイツ経営学は、企業経営を科学的に捉えるための先進知識として渇望されていたと考えられます。その中でも近代会計学の父と称されるシュマーレンバッハの理論は、多くの学者や実務家にとって必修の教養でした。このような時代背景の中、単なる翻訳書ではなく、会計学の権威である神戸大学の研究会が、日本の文脈で咀嚼・分析した「研究書」として本書を出版したことが、他の類書との決定的な差別化要因になったと推察されます。最先端の理論を、信頼できる日本の権威から学びたいという当時の読者ニーズに、本書は的確に応えたものと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?

(1954年)