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本書は、1955年に刊行されたバラ栽培に関する実用書です。著者の岡本勘治郎は、京成バラ園芸の初代所長を務めたバラ栽培の権威として知られています。本書は、バラの品種選び、土作り、植え付けといった基本的な準備から、剪定、施肥、水やり、病害虫対策といった年間を通じた管理技術までを体系的に解説しています。図解や写真を交えながら、初心者にも理解しやすいように具体的な手順を示しているのが特徴です。専門的な知識も随所に盛り込まれており、趣味でバラを育てる個人から、より深く探求したい愛好家まで、幅広い層を対象としています。本書は「バラ・ブック」シリーズの第1巻として、バラ栽培の標準的な手引書としての役割を担っています。
本書が発売された1955年当時に売れた理由は、時代の要請と書籍の持つ権威性が見事に合致したためと考えられます。1950年代半ばは、戦後の復興期を経て人々が生活に潤いを求め始めた高度経済成長の黎明期にあたります。洋風文化への憧れが高まる中、バラは「豊かな暮らし」や「近代的な庭」を象徴する存在でした。多くの人がバラ栽培に興味を抱き始めた一方で、その栽培は難しく、信頼できる手引書が市場に少なかったと推測されます。そのような状況下で、本書は京成バラ園芸の初代所長という当代随一の権威によって執筆されました。断片的な知識ではなく、「講座」と銘打たれた体系的な知識を提供した点が、他の園芸書との大きな差別化要因となったでしょう。「この一冊を読めば、憧れのバラを育てられる」という期待感が、バラ栽培を志す人々の心を掴み、発売当初のヒットにつながったと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?

(1955年)