📬 ロングセラー通信
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本書は、1957年に刊行された対人コミュニケーションの技術書です。「面接」という具体的な場面設定を切り口に、相手を効果的に「説得」するための心理学的な原理と実践的な方法論を体系的に解説しています。内容は、単なる就職活動のテクニックに留まりません。相手の心理を読み解き、信頼関係を構築した上で合意形成に至るプロセスを、聞き方、質問の仕方、反論への対応、論理的な話し方といった構成要素に分解して説明しています。そのため、読者対象は就職活動生だけでなく、営業、交渉、マネジメントなど、ビジネスにおけるあらゆる対人折衝の場面を想定していると考えられます。人の心を動かすための普遍的な原理を、科学的アプローチで解き明かそうとした一冊です。
本書が発売された1957年当時に売れた理由は、高度経済成長期の幕開けという時代背景と、それに伴うビジネス環境の変化に的確に応えたからだと考えられます。
第一に、近代的な企業経営への移行期にあたり、「面接」が人材採用の客観的な手法として重要視され始めたことが挙げられます。それまでの縁故や勘に頼る採用から脱却し、個人の能力を正しく見極めたい企業側と、新しい選考システムを突破したい求職者側、双方に具体的なノウハウへの強い需要が生まれていました。
第二に、当時の類書が精神論や心構えを中心に説いていた可能性が高い中で、本書は「どうしたら相手を説得できるか」という実践的な問いを掲げ、心理学に基づいた論理的・技術的なアプローチを提示した点が画期的だったと推測されます。「面接」という切実な課題を入口にしつつ、「説得」というより普遍的なビジネススキルを扱ったことで、従来の処世術の本とは一線を画し、新しい時代のビジネスパーソンにとって必須の教科書として受け入れられたのではないでしょうか。
では、なぜ売れ続けたのか?