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本書は、アガサ・クリスティーによる長編推理小説です。物語は、ギリシャ移民から巨万の富を築いた大富豪、アリスティド・レオニデスが毒殺されるところから始まります。彼の孫娘ソフィアは、祖父の若い後妻にかけられた嫌疑を晴らすため、婚約者であり外交官の息子であるチャールズ・ヘイワードに調査を依頼します。チャールズが足を踏み入れた「ねじれた家」と呼ばれる奇妙な屋敷では、一癖も二癖もある一族全員が遺産相続の動機と殺害の機会を持っていました。本書は、探偵役であるチャールズの視点を通して、この閉鎖的な家族が抱える歪んだ人間関係と異常な心理を解き明かしながら、事件の真相に迫っていく過程を描いています。
発売当初の1957年頃に本書が売れた理由は、主に3つの要因が複合的に作用した結果と考えられます。第一に、「アガサ・クリスティー」という強力な著者ブランドです。当時すでに『アクロイド殺し』などで「ミステリーの女王」としての名声は日本にも届いており、読者は新作に対して高い期待感を抱いていました。第二に、早川書房の「世界探偵小説全集」という権威あるシリーズの一冊として刊行された点です。この全集に選ばれること自体が品質保証となり、読者は安心して手に取ることができました。当時の日本人にとって非日常的であった英国の富豪一家という舞台設定も、海外文化への憧れと知的好奇心を刺激したと考えられます。最後に、本作が持つ特異な魅力、特に物議を醸すほどの衝撃的な結末が挙げられます。単なる謎解きに留まらない、人間の心理の深淵をえぐるような物語は、読者間で「あの結末はすごい」という口コミを生み、新たな読者を獲得する強力な推進力になったと推測されます。
では、なぜ売れ続けたのか?

(1957年)