📬 ロングセラー通信
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本書は、国学者であり歴史学者の萩野由之が、日本の歴史を神代から明治時代まで通史的に解説した書籍です。専門的な学術書ではなく、一般の読者に向けて語りかけるような「講話」形式で書かれているのが最大の特徴です。単なる年号や出来事の羅列に終始せず、歴史上の人物の動きや事件の因果関係を重視し、大きな物語の流れとして日本史の全体像を把握できるように構成されています。読者が歴史を身近なものとして感じ、その本質的な動きを理解することを主眼に置いており、平易かつ格調高い文体で、一人の碩学の歴史観が示されています。
本書が発売された1934年頃は、満州事変を経て日本が国際連盟を脱退するなど、国家主義的な機運が急速に高まっていた時代と考えられます。このような社会情勢の中、国民の間で自国の歴史や伝統、アイデンティティへの関心が強まり、日本史を学びたいというニーズが拡大していました。多くの類書が存在する中で本書が支持されたのは、東京帝国大学教授という最高の権威を持つ著者が、難解な学術用語を排した「講話」という親しみやすい形式で語りかけた点にあると推測されます。これは、専門的な研究書と大衆向けの読み物との間隙を埋めるものでした。国民が求めていた「権威ある、わかりやすい歴史物語」という需要に、本書の形式と内容が的確に応えたことが、発売当初の成功につながった要因と考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?

(1934年)
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