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作品概要
なぜ発売当時に売れたのか
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講談社 (1996年)
本書は、哲学者・鷲田清一が「じぶん」という存在の不思議さを、日常的な経験を手がかりに解き明かしていく哲学エッセイです。自己とは何かという根源的な問いに対し、抽象的な概念ではなく、ファッション、化粧、身体の感覚、他者との関係性といった具体的な現象からアプローチします。「じぶん」を内面に存在する固定的な実体としてではなく、他者の視線や社会的な文脈の中で絶えず揺れ動き、形成されていく動的なプロセスとして捉え直します。本書は、読者が自らの身体や日常のふるまいを哲学的な思索の対象とすることで、自己認識を深めるための視点を提供します。難解な哲学用語を避け、平易な言葉で語りかけるスタイルにより、読者自身の経験と結びつけながら「じぶん」の輪郭を探る手助けをする一冊です。
本書が発売された1996年当時に売れた理由は、時代の閉塞感と個人の内面への関心の高まりに的確に応えたからだと考えられます。バブル崩壊後の経済停滞に加え、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件といった社会を揺るがす出来事が続き、多くの人々が拠り所としてきた「大きな物語」が失われつつありました。このような背景から、「自分とは何か」という問いに向き合う「自分探し」のニーズが社会的に高まっていました。
当時、この問いに答える書籍は、難解な学術的哲学書か、画一的な答えを提示しがちな自己啓発書に二極化していました。その中で本書は、ファッションや身体といった身近なテーマから哲学的な思索へと誘う独自のアプローチを提示しました。これは、専門的な知識がなくても、読者自身の日常経験を足がかりに自己を探求できるという点で画期的でした。学術と日常の架け橋となる「手の届く哲学」というポジションを確立し、漠然とした不安を抱えながらも知的な探求を求める読者層の心を掴んだことが、発売当初のヒットにつながったと推察されます。
では、なぜ売れ続けたのか?
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