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作品概要
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本書は、美術史家であり思想家の岡倉覚三が、もともと1906年にニューヨークで英語で出版した『The Book of Tea』の日本語訳です。単なる茶道の作法や歴史を解説する本ではなく、「茶」を一つのシンボルとして、その背景にある日本の美意識、哲学、生活様式を西洋の読者に向けて論じた文化論となっています。内容は「人情の碗」「茶の諸流」「道教と禅」「茶室」といった章で構成され、茶の湯を通して、簡素さや不完全さの中に美を見出す「わびさび」の精神や、自然と調和する東洋的な世界観を、西洋の価値観と対比しながら詩的な文章で描き出しています。読者は茶という具体的な入口から、日本文化のより深い精神性へと誘われる構成になっています。
本書が1961年という時代に受け入れられた理由は、当時の社会的な要請と、類書にはない独自の立ち位置にあったと考えられます。1960年代初頭は、日本が高度経済成長の只中にあり、急速な西洋化と近代化が進む一方で、自国の文化的アイデンティティを再確認したいという欲求が高まっていた時期でした。多くの日本人が、失われつつある伝統的な精神性や美意識に目を向け始めていたと考えられます。
このような背景の中、本書は単なる茶道の作法書とは一線を画していました。もともと西洋人に向けて英語で書かれたという「逆輸入」の成り立ちが、客観的で普遍的な視点を持つという権威性を与え、自国の文化を新鮮な目で捉え直す機会を提供したと推測されます。また、1964年の東京オリンピックを控え国際化への意識が高まる中で、日本文化の本質を外国人に説明するための「教養の教科書」としての役割も果たしました。教養の象徴である岩波文庫から刊行されたことも、その価値を保証し、多くの知識層に届けられる要因となったと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?
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