📬 ロングセラー通信
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本書は、心理学の学術的理論を、実生活の多様な問題解決にどう応用するかを体系的に解説する書籍です。知覚、記憶、感情、性格といった心理学の基礎的な原理から説き起こし、それらが産業、教育、医療、広告、芸術、法律といった具体的な分野でどのように活用されるかを論じます。本書の目的は、純粋な学問としての心理学と、私たちが日々直面する現実社会との間に橋を架けることにあります。個別のテクニック集ではなく、心理学的な思考法を用いて様々な社会事象を分析・理解するための視座を提供することに主眼が置かれているのが特徴です。
本書が発売された1952年頃の日本は、戦後の復興と高度経済成長の黎明期にあり、社会の近代化と産業の合理化が急務とされていました。このような時代背景の中、人間の行動や心理を科学的に理解し、生産性の向上や社会問題の解決に役立てようとする「応用心理学」への社会的ニーズが高まっていたと考えられます。当時の心理学関連の書籍が難解な学術書か、断片的な知識を紹介する啓蒙書が中心だった中で、本書はフランスの碩学による体系的かつ網羅的な解説書として際立っていました。産業や教育といった具体的な応用分野を明示することで、専門家のみならず、現場で課題を抱える経営者や教育関係者といった実務家層の関心を強く引きつけたことが、発売当初の成功の大きな要因であったと推測されます。学問的権威と実践的価値を両立させた点が、類書にはない明確な差別化ポイントとなったのでしょう。
では、なぜ売れ続けたのか?
