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(1957年)
本書は、植物学者である佐竹義輔氏が編纂した、植物に関する包括的な情報を収録した事典です。特定の科や属に偏ることなく、日本の植生を構成する主要な植物から、園芸種や外来種まで幅広く網羅していると考えられます。内容は、各種植物の分類学上の位置付け、形態的特徴、生態、分布域、利用法など多岐にわたります。単なる写真やイラストによる図鑑とは異なり、学術的な定義や詳細な解説を主軸としたテキストベースの構成が特徴です。専門家や研究者の利用を想定した専門用語が用いられる一方、索引が整備されており、一般の植物愛好家や学生が特定の植物について深く調べる際の参照文献としての機能も果たします。
本書が発売された1957年当時に広く受け入れられた理由は、戦後の復興から高度経済成長期へと向かう社会背景の中で、専門的かつ信頼性の高い知識への需要が高まっていた点にあると考えられます。経済的なゆとりが生まれ始め、人々の関心が文化や学術、趣味へと広がる中、身近な自然である植物について体系的に学べる本格的な書籍は希少でした。当時、植物に関する書籍は子ども向けの図鑑や一部の専門書に限られており、一般の知識層や熱心な愛好家が満足できるような、網羅性と学術的正確性を両立した一冊は市場に存在しなかったと推測されます。そこに、当代一流の植物学者である佐竹義輔氏の編纂という権威性が加わったことで、本書は教育機関、研究者、そして知的好奇心旺盛な一般読者にとって「待望の一冊」として受け入れられたのではないでしょうか。単なる植物リストではなく、「事典」という体系的な知識を提供する形式そのものが、類書との決定的な差別化要因となり、初期の成功につながったと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?