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本書は、平安時代の仮名書道の最高傑作の一つとされ、伝紀貫之筆と伝わる「寸松庵色紙」を、現代の書道学習者が鑑賞し、臨書(模写による学習)するために編纂された書籍です。「日本名筆選」シリーズの第12巻として、書道出版の老舗である二玄社が刊行しました。内容は、原寸大で印刷された色紙の図版を中心に、文字の骨格を示す「骨書」、現代の文字で記した「釈文」、そして書道史的な背景や筆法の特徴を解説した文章で構成されています。学習者が古典の名筆を深く理解し、自らの技術向上に役立てることを主眼に置いた、実用的な手本(法帖)としての役割を担う一冊です。
本書が1993年当時に売れた理由は、本格的な書道学習者のための「高品質かつ実用的な手本」という市場の需要に、決定版として応えたからだと考えられます。当時の書道界では、生涯学習の一環として本格的に古典を学びたいという層が厚く存在していました。しかし、鑑賞を主目的とした高価な美術全集か、印刷品質が不十分な普及版の法帖が主流で、学習に最適化された選択肢は限られていたと推測されます。そのような状況下で、書道出版の権威である二玄社が、長年の複製技術を活かして高品質な原寸大印刷を実現し、さらに骨書や詳細な解説といった学習支援要素を盛り込んだ「日本名筆選」シリーズを刊行したことは画期的でした。特に『寸松庵色紙』は仮名書道の基本として学ぶべき必修の古典であり、その決定版ともいえる本書は、多くの指導者や学習者に「待望の一冊」として受け入れられ、発売当初から強い支持を集めたものと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?
![寸松庵色紙[伝紀貫之筆] (日本名筆選 12)](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fm.media-amazon.com%2Fimages%2FI%2F612Fy5j0cLL._SL500_.jpg&w=384&q=75)