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講談社 (1992年)
白洲正子による紀行文・エッセイです。著者が日本各地に点在する十一面観音像を訪ね歩き、その旅の過程で得た思索や実感を綴っています。本書は、単なる仏像の美術的・歴史的な解説書ではありません。観音像が安置されている寺社や、その土地の風土、歴史、そしてそこに暮らす人々の信仰といった背景にまで深く分け入り、著者自身の鋭い審美眼と独特の死生観を織り交ぜながら、観音像との対峙を描き出します。渡岸寺、聖林寺、法華寺など、名高い観音像を巡る旅を通じて、日本の文化や信仰の深層に触れる構成となっており、読者を思索的な旅へと誘う一冊です。
発売当初の1992年は、バブル経済が崩壊し、物質的な豊かさから精神的な充足へと人々の価値観が移行し始めた時代であったと考えられます。経済成長の熱狂が冷め、自国の文化や歴史に改めて目を向ける「本物志向」の機運が高まっていたことが、本書が受け入れられた大きな背景にあると推測されます。
この時期、類書としては学術的な美術史解説書や実用的な寺社巡りガイドブックが主でしたが、本書はそのどちらでもない独自の位置を確立しました。専門家ではない「数寄者」としての白洲正子という著者の存在が、大きな差別化要因となったと考えられます。彼女の確立されたブランドイメージと、知性と感性が融合した独自の「視点」を通して日本の美を再発見したいという読者ニーズに、本書は的確に応えました。それは、情報を得るための読書ではなく、豊かな精神世界を追体験するための読書であり、時代の求める知的な渇望を満たすものだったのではないでしょうか。
では、なぜ売れ続けたのか?
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