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講談社 (2003年)
本書は、江戸時代の美意識である「いき」を、西洋哲学の手法を用いて分析・解明した論考です。著者の九鬼周造は、現象学的なアプローチに基づき、「いき」という感覚的で捉えどころのない概念を、「媚態」「意気地」「諦め」という三つの内包的契機から成り立つ構造として定義しました。さらに、その構造が柳の姿や縞模様といった自然表現、あるいは浮世絵や浄瑠璃といった芸術表現の中にどのように現れるかを具体的に論じています。本書は、単なる日本文化論や随筆とは異なり、日本の伝統的な美意識を客観的かつ論理的に体系化しようと試みた、哲学的な探求の書です。
本書が2003年頃に文庫として改めて注目された背景には、当時の社会的な空気感が影響していると考えられます。バブル崩壊後の「失われた10年」を経て、人々が経済成長以外の価値観や精神的な豊かさを模索し始めていた時期でした。グローバル化が加速する一方で、自国の文化やアイデンティティへの関心が高まり、「クールジャパン」といった言葉も登場するなど、日本的なものを再評価する機運がありました。
多くの日本文化論が情緒的・体験的な語りに留まる中で、本書は西洋哲学の緻密な論理で「いき」という感覚を解剖するアプローチを提示しました。これは、西洋的な思考法に慣れ親しんだ読者にとって、自国文化を知的かつ客観的に理解するための新しいツールとして映ったのではないでしょうか。単なる懐古趣味ではなく、分析的な視点から「日本の美」の正体に迫るという本書の立ち位置が、当時の知的好奇心旺盛な読者層のニーズと合致し、多くの支持を集める要因になったと推測されます。
では、なぜ売れ続けたのか?
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