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岩波書店 (2000年)
本書は、経済学者・宇沢弘文が提唱した「社会的共通資本」という概念を、一般読者向けに平易に解説した入門書です。社会的共通資本とは、すべての人々がゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持することを可能にするような社会的装置を指します。著者はこれを、(1)大気や森林、河川などの「自然環境」、(2)道路、交通機関、上下水道などの「社会的インフラ」、(3)教育、医療、司法、金融制度などの「制度資本」の三つに分類。これらの資本は、市場原理に任せるのではなく、専門的な職業的規範に基づき、社会全体で維持・管理されるべきだと主張します。経済効率性のみを追求する市場原理主義に警鐘を鳴らし、より人間的な社会のあり方を構想するための知的フレームワークを提示する一冊です。
本書が発売された2000年当時は、ITバブルの崩壊や「失われた10年」の閉塞感の中で、グローバル化と市場原理主義の進展に対する期待と不安が交錯していた時代でした。小泉構造改革前夜の空気の中、多くの人々が経済成長の先にどのような社会が訪れるのか、漠然とした問いを抱えていたと考えられます。このような時代背景において、本書が提示した「社会的共通資本」という概念は、単なる市場批判に終わらない、具体的かつ包括的な対案として読者の目に新鮮に映りました。経済学の権威である宇沢弘文が、経済の効率性だけでなく、自然環境や医療、教育といった人々の生活に不可欠なものを「資本」として捉え直し、社会全体で守るべきだと説いたことは、当時の経済至上主義的な風潮への強力なカウンターメッセージとなりました。難解な経済理論書ではなく、岩波新書という手に取りやすい形式で、これからの社会の「ものさし」を提示したことが、多くの知的好奇心旺盛な読者のニーズを捉え、支持を集めた要因と推察されます。
では、なぜ売れ続けたのか?
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