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作品概要
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岩波書店 (1984年)
本書は、民俗学者の宮本常一が日本全国を歩き、各地の古老たちから聞き取った話をまとめた記録集です。歴史の教科書が語る為政者の物語とは異なり、本書の主役は明治から大正、昭和初期を生きた名もなき市井の人々です。彼らの暮らし、仕事の知恵、村の掟、信仰、貧困との闘いといった、生活に根ざした記憶が、聞き書きという手法を通して生き生きと描き出されます。特定の結論や主張を提示するのではなく、失われつつある日本の原風景と、そこで逞しく生きた人々のリアルな声を淡々と収録することに徹しており、読者は近代化以前の日本人の生活観や価値観に直接触れることができます。
本書が文庫化された1984年頃は、日本が高度経済成長を経てバブル経済へと向かう、大きな変革の時代でした。都市化が急速に進み、核家族化が一般化する中で、多くの人々がかつての農村共同体的な暮らしや、地域との強いつながりを失いつつあるという感覚を抱いていたと考えられます。そうした時代背景において、本書が描き出す近代化以前の日本の姿は、読者にとって失われた故郷へのノスタルジーを喚起するものでした。
また、同時期の類書が学術的なアプローチを取ることが多かったのに対し、本書は古老たちの語りをそのまま記録した「物語」として読める点が大きな違いでした。専門用語を排した平易な語り口は、専門家でない一般読者にも親しみやすく、まるで祖父母から昔話を聞くような感覚で、かつての日本の生活を追体験できたのです。経済的な豊かさの裏側で失われたものへの渇望と、物語としての読みやすさ。この二つが、当時の読者のニーズに合致し、ベストセラーにつながったと推察されます。
では、なぜ売れ続けたのか?
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