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本書は、日本の古代から近代(明治・大正期)に至る文学の歴史を体系的に概説する書籍です。『万葉集』や『源氏物語』といった古典文学から近代の作家まで、各時代の主要な作品、作家、文学的思潮の変遷を時系列に沿って記述しています。個々の作品の深い分析よりも、文学史全体の流れを、社会や文化の変遷と関連付けながら把握することに主眼が置かれています。専門的な研究書というよりは、学生や一般の読者が日本文学の広大な領域を見渡すための「地図」として機能することを目的とした、入門的・概説的な性格を持つ一冊です。
本書が発売された1948年という時代背景が、ヒットの直接的な要因と考えられます。敗戦からわずか3年後、日本社会は価値観の大きな転換期にありました。軍国主義が否定され、多くの人々が精神的な空白を感じる中で、自国の文化や歴史を客観的に学び直したいという強い欲求が生まれていました。本書は、戦前の国粋主義的な史観とは一線を画し、平易な言葉で日本文学の通史を体系的に提示したことで、この文化的渇望に応えたと推測されます。また、新学制の開始に伴い、教育現場では新たな教科書や参考書が急務とされていました。学生や教員にとって、信頼できる国文学者が執筆したアクセスしやすい概説書は、まさに待望の一冊だったのです。このような社会的なニーズと教育制度の変化が交差するタイミングで登場したことが、発売当初に広く受け入れられた理由でしょう。
では、なぜ売れ続けたのか?

(1948年)
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