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本書は、伝説的な女子プロビリヤード選手である桂マサ子氏が、自身の技術と経験を基に執筆した撞球(ビリヤード)の技術解説書です。内容は、正しいフォームやキューの握り方、正確なストロークといった基本的な動作から、押し球・引き球・ひねりといった手球をコントロールするための応用技術まで、段階的に解説されています。初心者から中級者が上達するために必要な知識が網羅的にまとめられていると考えられます。単なる技術論に留まらず、試合に臨む際の精神的な心構えや、練習方法についても触れられており、著者の実体験に裏打ちされた実践的な指南書としての性格を持っています。豊富な図解や写真を用いて、視覚的にも分かりやすく伝えようとする工夫が見られます。
本書が発売された1956年当時、日本は戦後復興の最中にあり、アメリカ文化への憧れが強い時代でした。ビリヤードは、映画などを通じて広まった洗練された大人の娯楽として人気を集め始めており、本格的な技術を学びたいというニーズが高まっていたと考えられます。そのような状況下で、本書は他の類書とは一線を画す決定的な特徴を持っていました。それは、著者が単なるプロ選手ではなく、アメリカの第一線で活躍し「ビリヤードの女王」と称された桂マサ子氏その人であった点です。彼女の存在は、当時の日本人にとって憧れの象徴であり、その名を冠した本書は「女王から直接手ほどきを受けられる」という強力な付加価値を持ちました。専門家による無味乾燥な技術書ではなく、時代のスターが自らの言葉で語る上達法であったことが、多くの読者の心を掴み、発売当初の成功につながったと推測されます。
では、なぜ売れ続けたのか?