📬 ロングセラー通信
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本書は、物語創作におけるアプローチとして、従来のプロット(出来事の連なり)やキャラクター設定からではなく、「感情」を設計の起点に据える方法論を提唱する脚本術の指南書です。読者や観客にどのような感情を体験させたいかをまず定義し、その感情の弧(エモーショナル・アーク)を創り出すために、プロット、キャラクター、対立、テーマといった要素をいかに戦略的に配置するかを解説しています。物語を「感情を伝達するシステム」と捉え、皮肉、葛藤、期待、驚きといった感情を喚起するための具体的なテクニックと思考法を体系的に提示します。脚本家や小説家だけでなく、人の心を動かすストーリーを求めるあらゆるクリエイターを対象とした、実践的な創作ガイドと言えます。
本書が発売された2016年頃は、SNSの普及により個人が物語を発信する機会が急増し、ストーリーテリングの技術がクリエイター以外の層にも求められ始めた時期でした。同時に、創作市場には『SAVE THE CATの法則』に代表されるようなプロット構築のフレームワークが広く浸透していました。しかし、多くの書き手は、その型をなぞるだけではキャラクターが生き生きとせず、読者の心を動かせないという「型どおりの壁」に直面していました。このような状況下で、本書は「プロット」ではなく「感情」という、より根源的で本質的な要素を創作の出発点とする斬新な切り口を提示しました。「なぜ面白い物語には葛藤が必要なのか?」といった問いに対し、それを「読者の感情を揺さぶるための装置」として明快に言語化した点が、既存の脚本術に限界を感じていた読者のニーズに合致し、強い支持を集める要因になったと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?
