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(2016年)
本書は、楽譜やリズムに関する知識が全くない初心者を対象とした入門書です。五線譜の読み方、音符や休符の種類、拍子記号といった基礎的な楽典から、複雑なリズムの解釈までを段階的に解説しています。最大の特徴は、インプレス社のPC入門書「できるシリーズ」のフォーマットを踏襲している点です。レッスン形式で構成され、豊富な図解やイラスト、平易な言葉遣いで、音楽理論の学習につきまとう専門性や難解さを徹底的に排除しています。付属のCDを活用することで、譜面上の記号が実際にどのような音やリズムになるのかを耳で確認しながら学べるため、独習者でも挫折しにくい設計となっています。
本書が発売された2016年頃は、YouTubeなどの動画プラットフォームを通じて「弾いてみた」といった演奏動画が人気を博し、誰もが気軽に音楽制作や楽器演奏に挑戦できる環境が整いつつありました。この流れは、DTMや楽器演奏を始めたいと考える潜在的な学習者層を拡大させましたが、同時に、多くの初心者が「楽譜が読めない」という最初の壁に直面していました。従来の楽典書は専門的で堅苦しいものが多く、独学での挫折を招きやすい状況だったと考えられます。
こうした背景の中、本書はPC入門書で実績のある「できるシリーズ」のフォーマットを採用しました。専門用語を避け、図解を多用し、見開き完結のレッスン形式で解説する手法は、音楽理論の学習に「手軽さ」と「確実なステップアップ」という新しい価値観を持ち込みました。これは、難しい理論書に抵抗を感じる初心者や、過去に挫折した経験を持つ学び直し層の「これなら自分にもできるかもしれない」という期待感に応え、多くの支持を集める要因になったと推測されます。
では、なぜ売れ続けたのか?