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本書は、少年エルマーがどうぶつ島に捕らえられているりゅうの子を助け出す冒険を描いた、全3部作からなる児童文学です。物語は、エルマーが知恵を絞り、リュックに詰めた日用品(チューインガム、歯ブラシ、リボンなど)を意外な方法で使って、次々と現れる恐ろしい動物たちの困難を切り抜けていく過程を追います。第1作『エルマーのぼうけん』でりゅうの子を救出し、第2作『エルマーとりゅう』ではりゅうの子と共に故郷を目指し、第3作『エルマーと16ぴきのりゅう』でりゅうの家族が抱える問題を解決します。暴力ではなく、機転と工夫で問題を解決するエルマーの姿を通して、子供たちに勇気と創造的思考の重要性を提示する物語です。
本書が1965年頃の日本で広く受け入れられた理由は、当時の時代背景と物語の持つ新奇性が合致したためと考えられます。高度経済成長期の日本では、人々の生活が向上し、子供の教育や情操に対する関心が高まっていました。海外の文化への憧れも強く、欧米の優れた児童文学が積極的に紹介されていた時代です。多くの日本の昔話が教訓的な側面を持っていたのに���し、『エルマーのぼうけん』は、純粋な冒険のワクワク感と、主人公が腕力ではなく「知恵」と「ありふれた道具」で困難を乗り越えるという、極めてユニークな問題解決の手法を提示しました。この「非暴力的な知的勝利」の構図は、子供たちに新しいヒーロー像を示すと同時に、子供の思考力を育てたいと願う親たちのニーズにも応えたと推測されます。特別な力を持たない等身大の少年が主人公である点も、子供たちの自己投影を促し、物語への没入感を高める要因になったと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?
