📬 ロングセラー通信
毎日1冊、10年売れ続ける本の秘密をお届け。
無料・いつでも解除可能
本書は、美術史家の山下裕二氏が縄文時代から現代に至るまでの日本美術の壮大な歴史を、一冊に凝縮して解説する通史です。各時代の特徴的な美術様式や代表的な作家、作品を豊富な図版と共に紹介しながら、その変遷を時系列で追っていきます。学術的な正確さを保ちつつも、単なる年表的な記述に留まらず、「奇想の系譜」に代表されるような著者独自の視点や解釈が盛り込まれているのが特徴です。美術史を専門的に学ぶ学生の教科書として、また一般の美術愛好家が体系的な知識を得るための入門書として、幅広い読者層を対象として構成されています。
本書が2014年の発売当初に広く受け入れられた理由は、第一に著者である山下裕二氏の高い知名度と、当時すでに定着していた若冲ブームの存在が大きいと考えられます。山下氏は「奇想の画家」の再評価を主導し、メディア露出も多かったため、氏が執筆する「面白い日本美術史」への期待感が読者の購入意欲を刺激したと推察されます。また、従来の学術的で難解な美術史の概説書と、特定のテーマに特化したムック本との間に存在する空白を埋める存在であったことも重要です。美術展に足を運ぶライトなファン層が、教養として体系的な知識を手軽に得たいというニーズに対し、手に取りやすい判型と価格で応えたことが、発売初期の成功につながったと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?
