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作品概要
なぜ発売当時に売れたのか
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筑摩書房 (2007年)
写真家・中平卓馬による評論・エッセイ集です。本書は、1977年に病で倒れ記憶と言葉の一部を失った著者が、リハビリを経て写真家として再起する過程で執筆した文章を集成したものです。収録されているのは、主に1980年代から90年代にかけて発表されたテクストで、写真とは何か、表現とは何かという根源的な問いが主題となっています。かつて自らが牽引した「アレ・ブレ・ボケ」に代表される主観的で情緒的な写真表現を徹底的に自己批判し、あらゆる意味や物語を剥ぎ取った、ただ事物を即物的に記録する「植物図鑑」のような写真を志向するに至った思索の軌跡が克明に記されています。これは単なる写真論に留まらず、一人の表現者が過去の自分と決別し、新たな表現のあり方を模索する過程を記録したドキュメントと言えます。
本書が文庫化された2007年当時に売れた理由は、デジタルカメラの普及という時代背景と、それに伴う読者のニーズの変化に応えたからだと考えられます。2000年代中盤は、デジタル一眼レフが一般層にも普及し、誰もが手軽に写真を撮れるようになった時代でした。写真技術の民主化が進む一方で、巷には撮影テクニックや機材に関するハウツー本が溢れていました。このような状況下で、本書は「いかに撮るか」ではなく「なぜ撮るのか」「写真とは何か」という根源的かつ哲学的な問いをラディカルに突きつけました。これは、技術的な手軽さの先にある表現の本質を求める、写真学生や思索的なアマチュア写真家、クリエイター層の知的な渇望に強く応えるものだったと推測されます。また、一度表現の頂点を極めた著者が記憶を失い、過去の自分を全否定しながら再生する壮絶なドキュメントという側面は、写真というジャンルを超えて、表現に悩む多くの読者にとって強烈なインパクトを与えたのではないでしょうか。
では、なぜ売れ続けたのか?
最新(4/25): 76,147位 / 期間中の最高位: 19,964位 / 最低位: 234,503位