📬 ロングセラー通信
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本書は、アニメーション監督・宮崎駿が1979年から1996年にかけて発表した文章や対談、講演などを集成した記録集です。内容は多岐にわたり、『風の谷のナウシカ』の企画書やイメージボード、『となりのトトロ』の制作にまつわるエッセイ、作品論、アニメーション業界への提言、さらには自身の個人的な思い出や社会時評まで、多角的な視点から宮崎駿の思考の軌跡を追体験できます。特定のテーマを体系的に論じる専門書ではなく、監督の17年間にわたる思索や葛藤、創造のエネルギーが、当時の「一次資料」として時系列に沿って収録されているのが特徴です。読者は、一人のクリエイターが国民的監督へと至るまでの、思考の「出発点」を垣間見ることができます。
本書が発売された1996年当時、スタジオジブリと宮崎駿監督はすでに国民的なブランドとしての地位を確立していました。特に、翌1997年に公開を控えた超大作『もののけ姫』への期待感は社会現象ともいえるレベルに達しており、世間の関心は最高潮にありました。このような状況下で、読者には「天才・宮崎駿の頭の中を覗いてみたい」という強い知的好奇心が生まれていたと考えられます。本書は、単なる作品解説やインタビュー集とは異なり、企画書や個人的なメモといった「生」の資料を多数収録していました。これにより、完成された作品の裏側にある思考プロセスそのものを追体験できるという、他に類を見ない価値を提供しました。熱心なアニメファンやクリエイター志望者だけでなく、宮崎駿の仕事術や哲学に関心を持つビジネスパーソン層にも訴求し、幅広い読者層のニーズを捉えたことが、発売当初のヒットにつながったと推測されます。
では、なぜ売れ続けたのか?
