📬 ロングセラー通信
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本書は、1999年に発生した「桶川ストーカー殺人事件」の真相を、ジャーナリストである著者が追ったノンフィクションです。事件当時、被害者である女子大生・猪野詩織さんへのメディアによる誤った人物評や、埼玉県警の捜査怠慢が問題視されました。著者は、警察発表や他社の報道とは一線を画し、独自の取材を敢行。詩織さんが遺した「遺言」ともいえるダイアリーやメモを手がかりに、犯人グループの特定に迫ります。警察が動かない中、一記者がいかにして真相を突き止め、組織の隠蔽体質や報道のあり方に一石を投じたのか、その執念の取材過程を克明に記録した一冊です。
本書が発売された2004年当時は、2000年にストーカー規制法が施行された直後であり、ストーカー犯罪の深刻さや警察対応の不備への社会的な関心が高まっていた時期と考えられます。加えて、相次ぐ警察不祥事により、国民の警察組織への不信感も高まっていました。このような時代背景の中、本書が描く、警察の怠慢とメディアの誤報を徹底的な取材で暴き、一個人が巨大な権力構造に立ち向かうという構図は、多くの読者の義憤と共感を呼んだと推察されます。単なる事件の解説書ではなく、著者が自ら犯人像に迫っていくスリリングな展開は、ノンフィクションでありながら一級のミステリーのような読書体験を提供しました。これは、事件を外から客観的に記述する他のルポルタージュとは一線を画すものでした。社会の不正義に対する怒りと、真実が明かされることへのカタルシスを求める、当時の読者ニーズに真正面から応えたことが、発売当初のヒットにつながったのではないでしょうか。
では、なぜ売れ続けたのか?
