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本書『AKIRA(5)』は、大友克洋による長編SF漫画『AKIRA』全6巻のうち、物語がクライマックスへと向かう第5巻にあたります。第三次世界大戦後の2019年のネオ東京を舞台に、強大な超能力に覚醒した少年・鉄雄と、彼の暴走を止めようとする友人・金田、そして軍やゲリラ、宗教団体といった様々な勢力の思惑が交錯する物語です。この巻では、封印されていた最強の超能力者「アキラ」を巡る攻防が激化し、物語の主要な登場人物たちがオリンピックスタジアム跡地に集結します。鉄雄の制御不能な力は、彼の肉体そのものを異形へと変貌させ、街を巻き込む破滅的なカタストロフの引き金となります。全ての伏線が一点に収束し、最終決戦の火蓋が切られる、物語全体の転換点を描いた一冊です。
本作が発売された1990年当時、その爆発的な売上にはいくつかの要因が複合的に作用したと考えられます。最大の要因は、1988年に公開され世界的な社会現象を巻き起こした劇場版アニメの存在です。このアニメによって『AKIRA』という作品の知名度とブランド価値は、漫画の読者層をはるかに超えて拡大していました。アニメで衝撃を受けた多くの人々が、物語の続きや原作ならではの詳細な描写を求め、本作に殺到したと推測されます。また、1990年はバブル経済の末期にあたり、社会全体が繁栄の裏側で漠然とした閉塞感や終末観を抱えていた時代でした。本作が描く圧倒的な破壊と混沌のビジョンは、そうした時代の空気と共鳴し、読者に強烈なカタルシスを提供したと考えられます。さらに、大友克洋氏による緻密で情報量豊かな作画は、他の漫画作品とは一線を画すクオリティであり、物語だけでなくアートブックとしての価値も備えていました。物語がクライマックスに突入する第5巻は、読者の期待が最高潮に達したタイミングでの発売であり、これらの要因が重なることで記録的な売上につながったのでしょう。
では、なぜ売れ続けたのか?