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本作は、推理小説研究会の学生7人が、半年前に四重殺人が起きた孤島「角島」の「十角館」を訪れるところから始まります。外界から閉ざされた館で、彼らは何者かによって一人、また一人と殺害されていきます。この島での陰惨な連続殺人の様子と並行し、本土では、元会員の江南孝明が研究会に送られてきた謎の手紙をきっかけに、半年前の殺人事件の真相に迫っていくという二つの視点で物語が進行します。古典的な「クローズド・サークル」の設定を踏襲しながら、読者に対してフェアな形で伏線を張り、論理的な推理を促す構成が特徴です。物語の終盤で明かされる衝撃的な真相は、それまでの読書体験そのものを覆す構造になっています。
本作の新装改訂版が2007年当時に売れた理由は、1987年の初版刊行時に確立した「新本格ミステリの金字塔」という伝説的な評価が、新たな世代の読者層に届いたためと考えられます。1980年代後半、社会派ミステリが主流で本格ミステリが衰退していた時代に、本作は大胆なトリックと論理性を武器に登場し、ジャンル復興の狼煙を上げました。この「事件」とも言えるデビューは、ミステリ史における神話として語り継がれていました。2007年の新装改訂版は、すでに新本格が一大ジャンルとして定着した市場において、その「原点」であり「必読書」としてのポジションを改めて明確にする役割を果たしたと推測されます。読みやすい装丁と、口コミで受け継がれてきた「とにかく凄いらしい」という評判が、ミステリ入門者から熟練のファンまで幅広い層を惹きつけ、新たなベストセラーへと繋がったのではないでしょうか。
では、なぜ売れ続けたのか?
