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作品概要
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本書は、哲学者の和辻哲郎が1918年に奈良・京都の古寺を巡った際の体験を綴った紀行文です。単なる寺社仏閣の案内や美術品の解説に留まらず、仏像や建築を前にした著者の深い感動と思索が、哲学的な洞察と共に描かれています。法隆寺の仏像からギリシャ彫刻との比較を通じて日本人の精神性を探ったり、薬師寺東塔の凍れる音楽のような美を論じたりと、和辻独自の視点で古美術が語られます。読者は、著者の知的な案内に導かれながら、単なる知識としてではなく、生きた文化として日本古来の美意識や宗教観に触れる体験をします。紀行文、美術論、文化論が融合した、時を超える思索の旅を追体験する一冊と言えます。
本書が1979年頃に広く受け入れられた背景には、当時の社会的な変化が深く関わっていると考えられます。高度経済成長期を経て物質的な豊かさが一段落し、人々が精神的な充足や自国の文化的なルーツへと関心を向け始めた時代でした。「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンなどをきっかけに国内の歴史的名所、特に古都への旅行ブームが起きており、単なる観光情報を超えた、より知的で深い旅への需要が高まっていたと推測されます。
多くの寺社案内書や美術解説書が客観的な情報提供に終始する中で、本書は一流の哲学者である和辻哲郎が、自身の深い感動と思索を情熱的に語るという点で一線を画していました。読者は、知の巨人の案内で古寺を巡るような、贅沢な知的体験を得られたのです。西洋文化との比較を通じて日本文化の独自性を浮き彫りにする視点も、国際社会での日本の立ち位置を意識し始めた当時の読者にとって、新鮮な知的刺激となったのではないでしょうか。
では、なぜ売れ続けたのか?
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