📬 ロングセラー通信
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本書は、ギタリストのトモ藤田氏による音楽理論の教則本です。その核心は、複雑なスケール練習ではなく、音楽の最小構成単位である「トライアド(3和音)」に焦点を当てる点にあります。指板上の音の関係性をトライアドという視点から再構築し、アドリブ演奏や作曲、コードワークに応用するための論理的な練習法を提示します。独学でギターを学ぶ人々が陥りがちな「スケールは覚えたが使い方がわからない」という壁を乗り越えることを目的としており、付属CDを使った実践的なトレーニングを通じて、より音楽的な演奏能力の習得をサポートする一冊です。
本書が2012年当時に売れた理由は、当時のギター教則本市場に存在した「スケール偏重」の風潮に対する明確なカウンター提案であった点にあると考えられます。当時、YouTubeの普及により独学ギタリストが増加していましたが、多くの教則本はペンタトニックスケール等の形状をひたすら暗記させる内容が主流でした。その結果、「覚えたスケールをなぞるだけ」という単調な演奏に陥る学習者が続出していました。本書は、そうした「スケール暗記の壁」に直面した学習者に対し、「3音のトライアド」という、より音楽の根幹に近い概念を提示しました。これは、プロの世界では常識でもアマチュア向けにはあまり焦点が当てられていなかったアプローチであり、「丸暗記からの脱却」を求める層のニーズに合致したと考えられます。バークリー音楽大学助教授という著者の権威性も、この新しいアプローチの信頼性を担保し、多くのギタリストの支持を集める要因になったと推測されます。
では、なぜ売れ続けたのか?
