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本書は、株式投資の中でも専門的な手法である「信用取引」の仕組みを、初心者向けに解説する入門書です。自己資金の約3倍までの取引を可能にするレバレッジ効果や、株価下落時にも利益を狙える「空売り」といった、信用取引特有の概念を扱います。対象読者を「1年生」と明示し、金利、貸株料、逆日歩といった専門用語や、制度信用と一般信用の違いなどを、豊富な図解やキャラクターによる会話形式を用いて、誰にでも理解できるよう噛み砕いて説明しています。単に利益を上げる手法だけでなく、追証(おいしょう)といった深刻なリスクやその管理方法についてもページを割いており、信用取引の世界へ足を踏み入れるための基礎知識を体系的に提供する構成となっています。
本書が発売された2015年頃は、アベノミクス相場の真っ只中にあり、日経平均株価が2万円台を回復するなど、株式市場が大きな活況を呈していました。NISA制度の開始も後押しとなり、多くの個人投資家が市場に参入し、現物株取引で経験を積んでいました。この状況下で、より大きなリターンを狙う次の一手として、レバレッジや空売りが可能な「信用取引」への関心が高まるのは自然な流れでした。
しかし、信用取引には「借金をして投資する」「失敗すると元本以上の損失を被る」といった強い恐怖感がつきまといます。多くの類書が専門的で難解な内容に終始する中、本書は「世界一やさしい」「1年生」というタイトルを掲げ、徹底的に初心者の心理的ハードルを下げる戦略を取りました。キャラクターによる会話形式や豊富な図解を用いることで、難解な仕組みをゲーム感覚で学べるような体験を提供し、恐怖心から一歩踏み出せないでいた潜在的な投資家層の受け皿となることに成功したと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?

(2015年)