📬 ロングセラー通信
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本書は、国家間の繁栄と貧困の格差がなぜ生まれるのかという根源的な問いに対し、「制度」という鍵概念を用いて解き明かす一冊です。地理や文化、あるいは為政者の資質といった従来の説明を退け、政治・経済における「包括的制度」と「収奪的制度」の対立こそが国家の運命を分けると主張します。包括的制度がイノベーションと成長を促す一方、収奪的制度は一部エリートの利益のために社会全体の停滞を招くと論じます。ローマ帝国から現代のアフリカまで、古今東西の豊富な歴史事例を駆使して自説を検証し、繁栄への道を体系的に描き出すことを目指しています。
発売当初、本書が広く受け入れられた背景には、2010年代半ばの社会・経済的な不安感が存在したと考えられます。リーマンショック後の世界経済の停滞や、ピケティの『21世紀の資本』のヒットにより国内外の格差問題への関心が高まる中、多くの読者は「なぜこのような状況が生まれるのか」という根源的な答えを求めていました。本書は、ジャレド・ダイアモンドの地理決定論など既存の議論に対し、「制度」こそが決定要因であるという明快な対案を提示しました。「包括的制度」と「収奪的制度」というキャッチーな二項対立のフレームワークは、複雑な世界情勢や歴史を理解するための強力な思考ツールとして機能し、専門家だけでなく、未来に不安を抱くビジネスパーソンや一般読者層の知的好奇心を強く刺激したのでしょう。壮大な歴史物語を読むような構成も、幅広い層に届く一因になったと推察されます。
では、なぜ売れ続けたのか?
