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作品概要
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本書は、明治の英文学者・詩人である上田敏が、フランスの高踏派や象徴派の詩を中心に、イギリス、ドイツ、イタリアの詩を翻訳し、一冊にまとめた訳詩集です。ポール・ヴェルレーヌの「秋の日のヴィオロンの溜息の…」という一節で知られる「落葉」をはじめ、カール・ブッセの「山のあなたの空遠く…」で有名な「山のあなた」など、全57編を収録しています。本書の特徴は、原詩の意味を忠実に伝えること以上に、日本語としての音律や格調を重視した文語体の美しい訳文にあります。これにより、単なる翻訳に留まらず、それ自体が独立した文学作品としての価値を持つに至った、近代日本文学における翻訳詩の金字塔と位置づけられる一冊です。
本書が新潮文庫として発売された1952年頃に読者に受け入れられた理由は、戦後の混乱期を脱し、人々が精神的な豊かさや文化的な教養を求め始めた時代背景にあると考えられます。当時の読者、特に文学青年たちにとって、西洋の詩は新しい感受性や知性に触れるための重要な窓口でした。その中で『海潮音』(初版は1905年)は、すでに半世紀近くにわたり、西洋詩を日本に紹介した記念碑的な「古典」としての権威を確立していました。他の新しい翻訳が登場する中でも、上田敏による格調高い文語訳は、単なる情報の伝達ではなく、日本語の美の極致を体現した「芸術作品」として認識されていたと考えられます。戦後の自由で開放的な風潮の中、逆に失われた日本の伝統的な言葉の響きや様式美を再発見する体験として、本書は特別な価値を持って受け入れられたのではないでしょうか。
では、なぜ売れ続けたのか?
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