📬 ロングセラー通信
毎日1冊、10年売れ続ける本の秘密をお届け。
無料・いつでも解除可能
本書は、思考力を鍛える教室として知られる「宮本算数教室」の教材を基に書籍化された、パズル形式の問題集です。その最大の特徴は、算数的な思考力と、問題文を正確に読み解く国語的な読解力の両方を、一つの問題を解く過程で同時に鍛えることを目的としている点にあります。収録されている問題は主に文章題で、子どもがゲーム感覚で楽しみながら挑戦できるよう工夫されています。本書はシリーズの中級編にあたり、初級編で培った基礎的な思考力を土台に、より複雑な条件を整理し、多角的な視点から答えを導き出す論理的思考力が求められます。親が解き方を教えるのではなく、子ども自身が試行錯誤しながら自力で答えにたどり着くプロセスを重視しており、粘り強く考える力と問題解決能力を養うことを目指しています。
本書が発売された2014年頃は、ゆとり教育からの揺り戻しを受け、学力向上、特に思考力や記述力を重視する教育への関心が高まっていた時期と考えられます。多くの中学受験や公立中高一貫校の適性検査で、教科を横断するような思考力が問われるようになり、従来の計算ドリルや漢字練習だけでは対応できないという保護者のニーズが存在していました。このような背景の中、本書は「算数と国語を同時に伸ばす」という、具体的かつ効率的なコンセプトを提示しました。これは、単一教科の教材が主流だった市場において、極めて斬新で魅力的な提案だったと推察されます。さらに、学習を「パズル」という遊びの要素に転換したことで、子どもが自発的に取り組む動機付けに成功し、「勉強させられている感」を払拭しました。くわえて、著者の宮本哲也氏が持つ「卒業生の8割が難関中学に進学する」という圧倒的な実績が、教材の信頼性を担保し、教育熱心な保護者層の初期購買を強力に後押ししたと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?
