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『じゃあじゃあびりびり』は、0歳の赤ちゃんを対象とした絵本です。本書は物語性を持たず、自動車の「ぶーぶー」、水の「じゃあじゃあ」、紙が破れる「びりびり」といった、赤ちゃんの身の回りにあるモノと、それが発するオノマトペ(擬音語・擬態語)を一対一で提示する構成になっています。ページをめくるごとに、単純化された明瞭な絵と大きな文字で、様々な「モノと音の組み合わせ」がリズミカルに登場します。赤ちゃんが認識しやすいとされる、はっきりした輪郭線と鮮やかな色彩で描かれており、視覚と聴覚の両方から赤ちゃんの感覚に直接働きかけることを意図して作られています。また、赤ちゃんが舐めたり叩いたりしても壊れにくい、厚紙のボードブック形式が採用されています。
本作が発売された1983年当時、絵本市場はまだ物語性のある幼児向け作品が主流であり、「0歳児」という、言葉を理解する前の赤ちゃんに特化した本は限られていたと考えられます。そのような市場環境において、本書は「意味」ではなく「音」と「絵」という赤ちゃんの感覚に直接訴えかける、新しいアプローチを提示しました。これは、言葉の通じない我が子とどうコミュニケーションを取れば良いか戸惑いがちな当時の親にとって、具体的かつ簡単に実践できる「関わり方の処方箋」として受け入れられたのではないでしょうか。先行する名作『いないいないばあ』が親子の「やりとり遊び」に焦点を当てていたのに対し、本書は「モノと音の認識」という、より根源的な認知の入口に特化していました。専門的な読み聞かせ技術を必要とせず、ただ音を口にするだけで赤ちゃんが喜ぶという即時的な手応えが、親たちに安心感と育児の喜びを与え、初期のヒットにつながったと推察されます。
では、なぜ売れ続けたのか?

(1983年)