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本書は、タブレット型の本体に多数のボタンが配置された、音の出る知育絵本です。主な機能は「おうたモード」と「ことばモード」の2つに分かれています。おうたモードでは、子どもたちに人気の童謡や英語の歌が収録されており、ボタンを押すことで音楽を再生したり、カラオケ機能で一緒に歌ったりすることができます。一方、ことばモードでは、挨拶や動物の鳴き声、乗り物の音などを聞くことができ、言葉の学習を促します。絵本部分は付属していますが、主体はあくまでタブレット型のデバイスであり、子どもが指で直感的に操作し、音や音楽を通じて遊びながら学べるように設計されています。文字が読めない低年齢の子どもでも、一人で楽しめるインタラクティブな体験を提供することを目的としています。
本書が発売された2016年当時にヒットした理由は、スマートフォンやタブレットが各家庭に急速に普及した時代背景と、それに伴う親のニーズを的確に捉えた製品設計にあると考えられます。当時、多くの親は、子どもがデジタルデバイスに強い興味を示す一方で、YouTubeなどの動画コンテンツへの依存や不適切な情報への接触を懸念するというジレンマを抱えていました。本書は、子どもが憧れる「タブレット」という形状を模倣しながら、その中身を安全な知育コンテンツに限定した「子ども専用タブレット」という絶妙なポジショニングを確立しました。これにより、子どもの「触りたい」という欲求と、親の「安心して与えたい」という願いを同時に満たすことに成功したと推測されます。また、従来の音の出る絵本が「本にボタンが付いている」形式だったのに対し、よりデバイスライクな独立した形状は目新しく、子どもの所有欲を強く刺激した点も、競合製品との差別化につながったと考えられます。
では、なぜ売れ続けたのか?
